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FLSに関する学会および国の施策

日本版 二次骨折予防のためのFLSクリニカルスタンダード

FLSの取り組みを先駆的に行ってきた諸外国では、その定義や取り組みの内容を標準化し、普及させるためのFLSクリニカルスタンダードが策定されています。
日本においては2019年に「日本版 二次骨折予防のためのFLSクリニカルスタンダード」が策定され、多くの学会や機関に支持されています。

FLSクリニカルスタンダードの目的

可能な限り多くの病院において二次骨折予防の取り組みを効率的に行える、最低限必要な指標を提供すること

2022年度診療報酬改定とFLS

FLSの取り組みによる二次骨折予防の効果については、日本のみならず海外でも数多くのエビデンスが存在します。
これを踏まえ、2022年度診療報酬改定ではFLSの取り組みに関連した評価が新設されました。
脆弱性骨折における二次骨折予防の重要性とその手法としてのFLSの有用性が認められた結果と言えます。

二次性骨折予防継続管理料

大腿骨近位部骨折の患者さんに対して、継続的に骨粗鬆症の評価を行い、必要な治療等を実施した場合の評価として以下が新設されました。
急性期から回復期、維持期にわたる、「骨折リエゾンサービス(FLS)クリニカルスタンダード」と「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」に沿った骨粗鬆症の評価と治療の継続を評価するものです。

大腿骨近位部骨折の患者に対して、関係学会のガイドラインに沿って継続的に骨粗鬆症の評価を行い、必要な治療等を実施した場合の評価を新設する。

(新) 二次性骨折予防継続管理料

  • 二次性骨折予防継続管理料1
    1,000点

    (入院中1回・手術治療を担う一般病棟において算定)

  • 二次性骨折予防継続管理料2
    750点

    (入院中1回・リハビリテーション等を担う病棟において算定)

  • 二次性骨折予防継続管理料3
    500点

    (1年を限度として月に1回・外来において算定)

対象患者
  • 大腿骨近位部骨折を発症し、手術治療を担う保険医療機関の一般病棟に入院している患者であって、骨粗鬆症の有無に関する評価及び必要な治療等を実施したもの
  • イを算定していた患者であって、リハビリテーション医療等を担う病棟において継続的に骨粗鬆症に関する評価及び治療等を実施したもの
  • イを算定していた患者であって、外来において継続的に骨粗鬆症に関する評価及び治療等を実施したもの
算定要件
  • イについては、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして保険医療機関が地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者であって、大腿骨近位部骨折に対する手術を行ったものに対して、二次性骨折の予防を目的として、骨粗鬆症の計画的な評価及び治療等を行った場合に、当該入院中1回に限り算定する。
  • ロについては、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして保険医療機関が地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者であって、他の保険医療機関においてイを算定したものに対して、継続して骨粗鬆症の計画的な評価及び治療等を行った場合に、当該入院中1回に限り算定する。
  • ハについては、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、入院中の患者以外の患者であって、イを算定したものに対して、継続して骨粗鬆症の計画的な評価及び治療等を行った場合に、初回算定日の属する月から起算して1年を限度として、月1回に限り算定する。
  • イについては、関係学会より示されている「骨折リエゾンサービス(FLS)クリニカルスタンダード」及び「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」に沿った適切な評価及び治療等が実施された場合に算定する。
  • ロ及びハについては、関係学会より示されている「骨折リエゾンサービス(FLS)クリニカルスタンダード」及び「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」に沿った適切な評価及び骨粗鬆症の治療効果の判定等、必要な治療を継続して実施した場合に算定する。
  • 診療に当たっては、骨量測定、骨代謝マーカ-、脊椎エックス線写真等による必要な評価を行うこと。
施設基準
  • 骨粗鬆症の診療を行うにつき十分な体制が整備されていること。
  • 当該体制において、骨粗鬆症の診療を担当する医師、看護師及び薬剤師が適切に配置されていること。なお、薬剤師については、当該保険医療機関内に常勤の薬剤師が配置されていない場合に限り、地域の保険医療機関等と連携し、診療を行う体制が整備されていることで差し支えない。
  • イの施設基準に係る病棟については、急性期一般入院基本料、地域一般入院基本料又は7対1入院基本料若しくは10対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料に限る。)に係る届出を行っている保険医療機関の病棟であること。
  • ロの施設基準に係る病棟については、地域包括ケア病棟入院料、地域包括ケア病棟入院医療管理料又は回復期リハビリテーション病棟入院料に係る届出を行っている保険医療機関の病棟であること。

厚生労働省保険局医療課: 令和4年度診療報酬改定の概要 個別改定事項Ⅴ
(重症化予防、後発医薬品等使用推進、療養・就労両立支援)(令和4年度3月4日版)

緊急整復固定加算・緊急挿入加算

75歳以上の大腿骨近位部骨折の患者さんに対して適切な周術期の管理を行い、骨折後48時間以内に骨折部位の整復固定を行った場合に所定点数に加算できる評価として新設されました。
同評価は、「二次性骨折予防継続管理料1」を算定していることが算定要件として定められています。

高齢者の大腿骨近位部骨折に対する適切な治療を評価する観点から、骨折観血的手術(大腿)に対する緊急整復固定加算及び人工骨頭挿入術(股)に対する緊急挿入加算を新設する。

(新) 緊急整復固定加算
4,000点

(新) 緊急挿入加算  
4,000点

算定要件
  • 75歳以上の大腿骨近位部骨折患者に対し、適切な周術期の管理を行い、骨折後48時間以内に骨折部位の整復固定を行った場合に、所定点数に加算する。
  • 一連の入院期間において区分番号「B001」の「34」の「イ」二次性骨折予防継続管理料1を算定する場合に1回に限り算定する。
  • 当該手術後は、早期離床に努めるとともに、関係学会が示しているガイドラインを踏まえて適切な二次性骨折の予防を行うこと。
  • 診療報酬明細書の摘要欄に骨折した日時及び手術を開始した日時を記載すること。
施設基準
  • 整形外科、内科及び麻酔科を標榜している病院であること。
  • 整形外科について5年以上の経験を有する常勤の医師が2名以上配置されていること。
  • 麻酔科標榜医が配置されていること。
  • 常勤の内科の医師が1名以上配置されていること。
  • 緊急手術が可能な体制を有していること。
  • 大腿骨近位部骨折患者に対する、前年の区分番号「K046 骨折観血的手術」及び「K081  人工骨頭挿入術」の算定回数の合計が60回以上であること。
  • 当該施設における大腿骨近位部骨折後48時間以内に手術を実施した前年の実績について、院内掲示すること。
  • 関係学会等と連携の上、手術適応等の治療方針の決定及び術後の管理等を行っていること。
  • 多職種連携を目的とした、大腿骨近位部骨折患者に対する院内ガイドライン及びマニュアルを作成すること。
  • 速やかな術前評価を目的とした院内の内科受診基準を作成すること。
  • 運動器リハビリテーション料(Ⅰ)又は運動器リハビリテーション料(Ⅱ)の施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出ていること。
  • 二次性骨折予防継続管理料1の施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出ていること。
  • 関係学会から示されているガイドライン等に基づき、当該手術が適切に実施されていること。

厚生労働省保険局医療課: 令和4年度診療報酬改定の概要 医療技術(令和4年度3月4日版)

Point

二次骨折予防の重要性とその手法としてのFLSの有用性が認められ、
診療報酬の評価の新設につながった

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