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ステージ4:Integration
患者のフォローアップ

項目 追跡フォローの実施
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Q&A

質問 追跡フォローは、いつ、誰が、どのように行っていますか。
回答 3カ月ごとの定期受診日に来院されなかった患者さんに対してコーディネーターが、電話によるフォローアップで再受診をお願いするとともに、患者データベースを活用して定期的にドロップアウトがないかをチェックしています。
回答施設 一般社団法人巨樹の会 所沢明生病院
施設種別 急性期

具体例

いつ 退院後3カ月ごとの定期受診日に来院されない患者さんがいた際
誰が コーディネーター
どのように
  • 骨粗鬆症診療を支援する専属部署のスタッフ(コーディネーター)が、①入院患者さんの脆弱性骨折の発見およびスタッフへの周知、②骨粗鬆症治療導入のチェックと患者さんのデータベース化ならびに投薬状況の管理、③外来患者さんの再診管理および他院への適切な診療情報提供書の作成を担当している。
  • フォローアップ業務の一環としてコーディネーターが、退院後3カ月ごとの定期受診に未受診だった患者さんに電話をかけ、受診を促す取り組みを行っている。
  • 未受診の方の多くは、骨粗鬆症治療を生涯続けなければならないことを十分に理解できていないことから、患者さんの骨密度と血液の検査データを手元に置きながら、治療継続の重要性を説明している。
  • 未受診患者さんへの電話の際は、「治療を続けて、今は骨密度が上がって安定しているけど、やめたらまた折れやすくなりますよ」「骨密度が上がるのに1年以上かかったけど、投薬をやめたら1年で元に戻る危険性もあるんですよ」などわかりやすく説明し理解いただくよう心掛けている。
  • 患者さんからの質問に的確に回答できなければ納得いただけないことから、診療の場に同席するなど骨粗鬆症に関する専門知識を身につけるよう努力している。
  • 地域連携に向けた準備として、150名ほどの入院患者さんの電子カルテデータより、近隣かかりつけ医の骨粗鬆症採用薬を確認・リスト化した。各かかりつけ医の採用薬に合わせた投薬と診療情報提供書の作成により、骨粗鬆症治療薬が断ち切られるリスクを減らせると考える。

参考資料

大腿骨近位部骨折および脊椎椎体骨折で入院した50歳以上の男性、閉経後女性のうち2017年8〜12月に入院した群(委員会のみ:53例、平均年齢81.3歳)と2018年8〜12月に入院した群(コーディネーター立ち上げ後:64例、平均年齢82.4歳)計117例を対象とし、コーディネーター立ち上げ前後のフォローアップ状況を比較した。

†再受診率:退院後3カ月時の受診率で、2017年は予約どおりで2018年はTEL連絡を含む

‡退院後3カ月時の骨粗鬆症治療率:当院での薬物治療と他院での薬物治療継続の確認がとれた症例

§追跡率:本人または家族へ連絡が取れて、現状が確認できた症例。死亡や施設入所などの情報が得られた症例を含む

図表をクリックすると拡大してご覧になれます。

Point

  • 脆弱性骨折患者のデータベース化とその管理などを専属業務として実施
  • 3カ月ごとの定期受診日に来院されなかった患者さんには、電話で再受診のお願いと継続受診の必要性を説明
  • 近隣かかりつけ医との連携を進め、当院外来で年1回のDXA検査によるフォローアップができる地域連携パスを作成することが目標

2022年9月 安岡 宏樹先生(整形外科 部長)確認

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